投稿

5月, 2025の投稿を表示しています

「Owltec.」結城卓也と熊谷富士喜、20年来の関係性で実現した「sost. jiyugaoka」。 — 後編 —

イメージ
  「Owltec.」結城卓也と熊谷富士喜、20年来の関係性で実現した「sost. jiyugaoka」。 — 後編 — 「sost.」のオーナーであり、「kearny」のデザイナーの熊谷富士喜と「sost.」にまつわるクリエイターを迎えた対談コンテンツ。今回は、熊谷とは20年来の親交がある「Owltec.」の結城卓也さんを迎えて、「sost. jiyugaoka」ができるまでのお話を伺いました。 — 今回、改めて結城さんに新店舗を依頼したのにはどんなきっかけがあったのですか? 熊谷 この物件を見つけた時、ふと一番最初の「feets」の店を思い出したんです。奥まっていて、分かりづらい立地など、どこか雰囲気が似ていて。結城さんは今ではvisvimの店舗をやっていたり、かなり実績もあるの方なので、ここでまた一緒にできたら楽しいんじゃないかなって思って声をかけさせていただきました。 — この場所はもともと何があったんですか? 熊谷 以前はこの建物全部が中華料理屋で、ここは厨房スペースだったみたいです。 結城 最初はよくある空きテナントみたいな感じで何もなかったんだよね。だから、とにかく引き算をしていこうと壊してみたら、あれよあれよといろんなものが出てきたんです。 熊谷 もともと中華屋だからダクトもすごい多くて、油まみれのダクトが埋まっていたり、箒とか古い中華のレシピとかが貼られたままの柱が出てきたり。文字通りの隠蔽物件だったんです(笑)。 結城 壊しながら「ここはこうやって生かしたい」とか、「これはやっぱりいらない」とか足し引きしていった感じです。 熊谷 今グッズを置いているスペースも本来は壁で埋まっていたんですよ。壊していたら謎のスペースが出てきて、なんだか可愛く見てきちゃって。 — ここは本来なんのスペースだったんでしょうか? 結城 ダムウェーダーという食品を運ぶ小型のエレベーターがついていたので、ここで作った料理を2階に運ぶためのスペースだったんだと思います。 熊谷 下から覗くと2階の床が見えるんですよね。天高が半端ないっていう。本当はここは綺麗に塗りつぶして壁を作って、ストックルームにしようと思っていたんですけど、これは潰しちゃもったいないなと思って後半で方向転換しました。 結城 下地も全部組んでたんですけど、富士喜と2人で全部バラして。終わった頃に職人さ...

「Owltec.」結城卓也と熊谷富士喜、20年来の関係性で実現した「sost. jiyugaoka」。 — 前編 —

イメージ
  「Owltec.」結城卓也と熊谷富士喜、20年来の関係性で実現した 「sost. jiyugaoka」。 — 前編 — 「sost.」のオーナーであり、「kearny」のデザイナーの熊谷富士喜と「sost.」にまつわるクリエイターを迎えた対談コンテンツ。今回は、熊谷とは20年来の親交がある「Owltec.」の結城卓也さんを迎えて、熊谷との出会いから結城さんのユニークなキャリア遍歴まで幅広くお話を伺いました。 — お二人の出会いはいつ頃ですか? 結城 25歳くらいの時に古着屋をやっていたんですけど、その店の近くのフリークスストアで富士喜がアルバイトしていたんです。 熊谷 フリークスストアの先輩が結城さんの友人だったんです。店が近いこともあって休憩中にタバコ吸いに行かせてもらったり、もちろん古着を買いに行くこともありました。 結城 フリマを一緒にやったり、普通に仲のいい友達って感じでした。 熊谷 学生時代はとにかく古着屋をやりたいと思っていたから、原宿という場所で自分の店をやっていた結城さんは憧れというか、僕の中ではひとつの目標のような存在でした。 — 古着屋として独立もされていたところから、転向されたんですか? 結城 その頃はちょっと変な古着ブームで、綺麗な状態の上質な古着よりも汚くてボロボロであればあるほど売れる時代だったんです。海外に買い付けに行ってもそういう服がどんどん値上がりしていて、好きだった古着がめちゃくちゃ嫌いになっちゃったんですよね。 熊谷 異様でしたよね。ボロい方が値段が高いという謎の仕組みが出来上がっていて。 結城 そんなときに映画用の衣装リースの依頼が入ってきたんです。松本人志の『しんぼる』という映画で、ルチャ・リブレのシーンがあるから海外のエキストラ用に150セット用意して欲しいと。国内の業者さんに掛け合ってなんとか衣装を集めて、撮影の現場に行ったらめちゃくちゃ面白かったんですよ。 熊谷 そういった映像の現場は初めてだったんですか? 結城 衣装提供とかはしていたけれど、現場に行ったのは初めてでしたね。撮影所の中のスタジオに、ルチャ・リブレの本格的なセットも作られていて、その非日常的な空間もかっこよかったし、みんなで作り上げるお祭りのような感覚もすごく新鮮でした。その日の帰りに、もう古着屋は辞めようって思って辞めました。 熊谷 その決...