kearny ルック制作、これまでと佐渡。— 前編 —






kearny ルック制作、これまでと佐渡。— 前編 —


「sost.」のオーナーであり、「kearny」のデザイナーの熊谷富士喜とスタイリスト・服部昌孝さん、フォトグラファー・赤木雄一さんをお迎えし、「kearny」のルック制作の道のりから、佐渡で撮影された最新ルックまでのお話を雑談形式でお届けします。



出会いのきっかけとアシスタントクレイジー時代


— まず最初にみなさんの出会いのきっかけについて教えていただけますか?


熊谷 僕と服部くんは同い年なんだけど、23歳くらいの時に別の友達と三人でルームシェアをしていたんです。


服部 当時住む家がなくて、「誰か一緒に住ませてくれるやついない?」って共通の友達に聞いて紹介されたのが富士喜だった。全然会ったことなかったからとりあえず電話して、「話聞いたんですけど…」って言ったら、「いいっすよ。じゃあ月2万で」みたいな感じでゆるく決まったんだよね。


— すごいですね。広い部屋だったんですか?


熊谷 部屋は2Kだったから、僕と友達がそれぞれの部屋を使って、服部くんはキッチンのところで。


服部 むしろ玄関で寝泊まりしてたね。


熊谷 家に帰って玄関開けたら服部くんが寝てるみたいな。あれはほぼ外だよね(笑)。


— ルームシェア時代はどのくらい続いたんですか?


熊谷 実際に一緒に暮らしたのは半年くらいかな?


服部 そうだね。でもめちゃくちゃ面白かった記憶がある。


熊谷 みんなあまり家に帰ってこない人たちだったから、三人揃うことはすごくレアだったんだけど。


服部 だからこそ三人が揃うと、「あ、今日は3人いるじゃん」って嬉しかったな。






— 赤木さんとはどのタイミングで出会ったのですか?


服部 赤木くんはアシスタント時代がほぼ同期。赤木くんの一ヶ月後くらいに俺が師匠について、お互いの師匠が週四くらいで撮影が一緒だったの。だから、毎日赤木がミスするか、服部がミスするかみたいなことを言われて。お互いに傷を舐め合いながら生きてたよね。


赤木 そうそう。懐かしいね。


服部 でも当時は赤木くんも尖っていて、俺らと慣れあったりする感じじゃなかった。


赤木 そう?全然覚えてないなぁ。面白かったことしか覚えてないからね。


服部 イカれエピソードはいっぱいあるよね。


— イカれエピソードとは一体どんなエピソードですか?


服部 ロケの時に頼む、消費期限が当日中とかのおにぎりあるじゃん。それをバイクのメット入れに入れて、一週間かけて飯食ってた。


赤木 アシスタントの時はお金なかったからね。


服部 やばくない?防腐剤入ってない飯だよ。


熊谷 一週間はやばいね(笑)。メット入れってめっちゃ暑くなるじゃないっすか。


服部 しかも、それが夏だったんだよ。「服部くん食べる?」って言われたけど、それは俺もいらないっすって言ったよね。


赤木 そうじゃなかったらうまい棒とかしかなかったから、うまい棒いくのか腐ったおにぎりいくのかという選択肢しかなかったからね。


— すごい、クレイジー時代ですね。


赤木 最後の時代だね。本当にこういうのは。


服部 気が狂ってたよね、ぶっちゃけ。うちらだけ突出してやばかった。ストロングスタイルすぎたもん。


赤木 原付に衣装を山のように積んでさ、タバコ吸いながら走ってるアシスタントなんて今いないじゃん。


服部 逆に目立ってたよね、ストロングスタイルが。







「kearny」ルック撮影の初期エピソード


熊谷 赤木さんとの撮影は2014年の新宿スタジオオンが最初でしたよね?


服部 そうそう。赤木くんが渋谷でハントしたガチでホームレスのモデルを使ったやつ。


赤木 そうだそうだ。マコーレ・カルキンを崩したようなルックスで、いつもドンキの袋に入った乾き物を主食にしてるモデルだった。


— クセがすごいですね…。


熊谷 でもそれが、写真に撮るとすごくいいのよ。翌年にはうちがパリで初めて展示会をやることになって、冊子を作ったよね。




服部 この時は予定していたウィメンズが来なくなって、前日に奥さんに急遽キャスティングを手伝ってもらうという。


熊谷 「どんな子来るの?」って聞いても、「俺も知らない」って言われて(笑)。


服部 なんか懐かしいな。


熊谷 その時はまだ6型とか、5型とかだよ。それでよくパリに持っていこうと思ったよね。赤木くんはそこから何年間かは仕事以外で会ったことがなかった気がする。


— そうなんですね。今くらいラフな関係になったのはどのくらいからですか?


服部 二人は「​​BED J.W. FORD(ベッドフォード)」の2018年のピッティ・ウオモのコレクションからじゃない?あの時ずっと二人で出かけてたじゃん。


赤木 そうだ、それだね。距離が縮まったのは。僕はバックステージとかショー本番での撮影がメインだったから、それまではやることがなくって。かといってずっと抜けるのも気まずいからご飯の時間に二人でスナップに行ってたんだよね。それがまた楽しくって飲んじゃうのよ。飲みながらスナップしてて。


服部 そうなんだよね。撮影行ってたと思ったらベロベロで帰ってきて。


熊谷 イタリアがそうさせるのよ。知らない人の飲みの場にも入っていきましたもんね。ドゥオーモの前で若者たちが飲んでるところに突っ込んでいって、みんなにメガネかけさせて撮るみたいな。


赤木 富士喜くんはお酒飲んでもこのキャラクターのままで、顔がパンパンになっていくし、こっちはすっごい陽気になっていくから。うぇ〜いとかいいながらね。


URL→ FLORENCE SNAP


URL→ PORTRAIT


— 面白いですね。


服部 俺はすげー迷惑だったけどね。朝から夜まで頭フル回転で、現地でスタイリング組まないといけないし、モデルどうしようかとか、何日もかけてそれをやっていて。夜になったらこいつらが陽気に帰ってくるというカオスな状況。


赤木 こっちもこっちで一生懸命やってたんだけどね(笑)。


服部 内心はずっといいなって思ってて、俺もそっち行きたいなってずっと思ってましたもん。チームのほとんどが初の海外でプレッシャーのかかってるランウェイだったから、俺もそっちの撮影したいなー、こっちは苦しいなーみたいな。


熊谷 本当だよね。でも、本当にすごくいいショーでした(笑)。


まだまだ続く「kearny」ルック撮影のウラ話。後編へ続きます!


FASHION STYLIST 服部 昌孝

https://www.masatakahattori.com/


PHOTOGRAPHER 赤木 雄一

http://yuichiakagi.com


<INFOMATION>


2022 Autumn/ Winter collection

Yuichi Akagi Photo Exhibition

“:gravel”


期間:2022年4月12日(火)〜4月17日(日)

場所:TRUNK(HOTEL)

住所:東京都渋谷区神宮前5-31 1F 

時間:10:00~20:00



写真:Takahiro Kihara

文:市谷未希子





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